2018年04月20日

『グランクレスト戦記10 始祖皇帝テオ』

水野良 先生が贈る大戦記ファンタジー。第10巻は皇帝に即位しまとまりつつある“テオ”
たちに揺さぶりをかけてくる魔法師協会。皇帝聖印は為せるのか、最後の戦いを描きます。
(イラスト:深遊 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321711001090


エーラムでの攻城戦にて“アレクシス”と“マリーネ”が共同戦線を張る展開は胸を熱く
させるものが。他にも“ラシック”や“ペトル”のエピソードで脇を固めてくるあたりも
見所と言えましょう。そして聖女と呼ばれた“プリシラ”が見せた信念には心から敬服を。

「混沌の時代を終わらせてはならない」とする“パンドラ”、そして魔法師協会の理念。
“フベルトス”が示したその本質には“テオ”や“シルーカ”と同様、驚きを隠せません。
その理念も今や世界中の現在と未来を思う彼らの信条を覆せる訳がないのはお察しの通り。

“ディミトリエ”の出番、そして彼が辿る意外な末路も時代の流れを象徴するかのようで。
大講堂の奇跡を成し遂げてから7年、エピローグで思いを馳せる“テオ”や“シルーカ”
2人の姿に、そして壮大な戦記を無事に完結させた 水野 先生には感謝の念が絶えません。

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2018年04月19日

『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!3』

春日部タケル 先生が贈るクリエイターたちの熱血ラブコメ。第3巻は新作も発売前重版を
決める“天花”に身バレの危機、更には“清純”との恋愛が噂され2人共に窮地を迎えます。
(イラスト:Mika Pikazo 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/million-seller/321709000479.html


告白シーンと誤解した“天花”へのフォローもないまま、“清純”への想いを膨らませる
“ソレイユ”のツンデレが止まらない。作家として報われつつある“ひよこ”も遅ればせ
ながら胸の内に気付いてしまったり、恋の勝負では足踏みする“天花”が中々に不遇です。

ネット生放送「なますに!」・・・もとい「なまさん!」に“ソレイユ”が出演する展開を
活用して内情を披露するあたりからも 春日部 先生らしい攻めの姿勢が見受けられます。
そしてこの展開が意外にも“天花”と“清純”の危機を救うことになるのがまた面白い。

“天花”らに降りかかる危機と時を同じくして、彼女を潰そうと息まく“文子”に出会う
“清純”。彼女の作家としての可能性も感じる点に戸惑う彼を更に上回る驚きの事実にも
ご注目。エピローグで見せる引きが色々と不穏で次巻は特に目が離せない予感がします。

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2018年04月18日

『ジャナ研の憂鬱な事件簿3』

酒井田寛太郎 先生が贈る日常系ミステリー。第3巻は“真冬”の曾祖父が残した遺言の謎、
“啓介”が手伝う祭で起こる事件、そして学校行事を通して認識する彼の怖さに触れます。
(イラスト:白身魚 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517262


「自画像・メロス」。「メロスを捨ててくれ」という言葉に託された曾祖父の切なる思い。
人格者として認識され、そして利用されてきた曾祖父の過去を推し量る“啓介”の慧眼に
相変わらず驚き、そして感謝の気持ちを示す“真冬”の複雑な胸の内はまだ朧げなままで。

「鬼の貌」。伯父の寺院で行われる「女子隠し」の逸話に倣うかのように山中で女の子が
行方をくらます報告が挙がり、調査に乗り出す“啓介”たち。彼が役として務めた鬼とは
異なり今の世にも鬼が出る、という事実に怒りを示す“絵里”の姿が強く印象に残ります。

「怖いもの」。高校の「文化部発表会」で手品を披露することになった“ユリ”が窮地に
陥る様子を見て過去の事件を思い出し、そして自身の「怖さ」に気付いた“啓介”。更に
彼への想いを認識した“真冬”の胸中に気付けるか。大いなる課題の解決が待たれます。

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2018年04月17日

『異世界薬局 6』

高山理図 先生が贈る薬局ファンタジー。第6巻は度重なる干渉に決着をつけるべく神聖国
に赴く“ファルマ”たちが、あるいは不在を預る“エレン”たちが異世界の謎に迫ります。
(イラスト:keepout 先生)

http://mfbooks.jp/5878/
https://ncode.syosetu.com/n8541cr/
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000031010000_68/


“ゾエ”から思わぬ質問攻めにあったり、“ロッテ”と少々イイ雰囲気になってみたりと
役得もある“ファルマ”ですが、ある場所から「出入り禁止」をくらうなど相変わらずな
ところも見せております。そんな中で“ブランシュ”が進路に迷う逸話に惹かれました。

“クララ”の不穏な予測に注意を払いつつ、女帝と共に神聖国を訪問した“ファルマ”が
目にした「鎹の歯車」。その異様さを更に上回る、異世界の根幹に関わる話に驚かされる
ことしきり。アレが繋がったこととか、ソレを求められることなど興味深い話ばかりです。

一方で“エレン”が直面する、帝国そのものを揺るがしかねない「悪霊」が跳梁跋扈する
異常事態。神殿やド・メディシス家の秘密など衝撃の事実が次々と明白になり、こちらも
予断を許さない状況が続きます。女帝に課せられた選択の重さを噛みしめ物語は続きます。

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2018年04月16日

『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話』

映画『リズと青い鳥』が4/21に公開目前となる、武田綾乃 先生が贈る青春エンタメ小説。
在校生たちのありふれた日々や卒業生したOGの新たな日常を、短編12編と中編で綴ります。
(イラスト:アサダニッキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/779.html


「フィーネ」と「ダ・カーポ」の音楽記号に込められた情景にまず気付かされる読了感が
心に残ります。手紙で本音を伝えようとして悶える感じとかキュンとくるものがあります。
“晴香”と“葵”が偶然出会って、部活とは違う心境で音楽に触れていく挿話とかまさに。

短編の中に差し込まれる中編「アンサンブルコンテスト」では初めて出場を決めた小編成
でのコンサートに向けて北宇治の面々がどんな仲間と組むのか、楽しくも悩ましい瞬間が
描かれます。ここでも“久美子”の観察眼が目を見張る形になるところはまず見所かと。

次々と決まっていく組合せの中、楽器の特性上どうしてもあぶれてしまうメンバーが出る
事態にどう対応するのか。北宇治高校吹奏楽部の絆がいかに強いかが垣間見える顛末にも
ご期待ください。“麗奈”が見せた素直じゃないあの言動が今巻一番のハイライトでした。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル