2018年08月14日

『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 6』

手島史詞 先生が贈る、不愛想魔王と箱入りエルフによるラブコメファンタジー。第6巻は
とある手違いで少年の姿になった“ザガン”が元の姿に戻る策を求めて極東に足を運びます。
(イラスト/COMTA 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/795.html


“ザガン”から強さを教示されない対応策として「大きくなること」を望む“フォル”の
考え方が独特で興味深いと感じる中で彼の身にかかる呪いのようなまさかの災難。奇しくも
COMTA 先生の望んだ展開が訪れた、ということでまずはお祝いの言葉を申し上げる次第で。

“オリアス”からも薦められた島国で“セルフィ”に意外な繋がりが見えてくる展開とか、
賢竜“オロバス”そして魔王“マルコシアス”の昔話とか、過去の布石が色々絡んでくる
場面の一つ一つに要注目。そして“ネフィ”の深く静かな怒気の示し方も目を惹く所で。

歪な状態にある“フォル”を襲う窮地を前にして、小さい“ザガン”も本領を発揮できず
どうするの? という場面で、デートを楽しみそこねた彼もようやく報われたかなぁ、と。
結末も“ネフィ”が良い娘すぎて頭を撫でたくなる勢い。のろけがぜひ聞きたいものです。

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2018年08月13日

『あんたなんかと付き合えるわけないじゃん!ムリ!ムリ!大好き! 3』

内堀優一 先生が贈る青春ラブコメ。第3巻は“小春”との関係について周囲を困惑させた
“悟郎”が彼女からの別れの提案に対し、その瞬間を迎えるまで共に在る決意を示します。
(イラスト/希望つばめ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/798.html


“悟郎”のために出来ること。2年生の新学期を別れの日と定めた“小春”の様子からは
窺えない彼女の強がりにいつ気づけるか。彼女のわがままに付き合い振り回される彼には
なかなか難題だったかも知れません。2人を気遣う“明菜”が本当に良い娘すぎてもうね。

ギクシャクしていた“久礼人”との関係修復に乗り出したり、まるで贖罪のような“真冬”
からの対応に物申したり、と“悟郎”が壁を乗り越えていく。その一方で、両親に対する
想いを伝えることのできない“小春”の取り残された様子が対称的で、切なさに溢れます。

あとがきにかえて 内堀 先生が巻末に添えた文章からこの結末に至った心境が垣間見える
ような気がして、だからこそラストの挿絵が前向きな気持ちに繋がってくれることをただ
祈るばかり。そして願わくば「彼女」と約束を果たしてほしいと思わずにはいられません。

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2018年08月10日

『高崎グラフィティ。』

「第1回未完成映画予告編大賞」グランプリを受賞した 川島直人 監督の長編デビュー作。
高崎で卒業式を迎えた男女5人を描く今夏公開の映画を 古宮九時 先生がノベライズです。
(イラスト/とろっち 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-893935-5/
http://takasaki-graffiti.com/


彼氏と結婚する“寛子”。東大に進学する“康太”とFランク大学に進学する“直樹”。
父の整備工場を継ぐ“優斗”。東京の専門学校で服飾の勉強をする“美紀”。卒業後の
道を語る5人の中で“美紀”に「入学金が未納」と連絡が入る所から話は動き出す──。

学校生活で感じていた息苦しさと、高崎という地で募らせた閉塞感が胸中に重なる感覚。
怒りも悲しみも、後悔も決意も、卒業と共に解放されるクラスメイトたちの様々な感情。
戸惑って、ぶつかって、修復不可能になりそうな関係を紙一重で繋ぐのが未納騒動です。

入学金を払うはずの父はなぜ見つからない? お金が払えないなら夢をあきらめるか?
“美紀”の葛藤が4人に伝わり、自分に出来ることを、漠然とした将来を見つめ直す。
迷走した5人が揃って叫んだあの宣言は空色のあの服みたいな清々しさを覚えました。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年08月09日

『おいしいベランダ。 マンション5階のお引っ越しディナー』

コミックス第1巻が今秋発売予定の、竹岡葉月 先生が贈る園芸ライフラブストーリー。
第5巻はマンション修繕でベランダが使えなくなった“まもり”たちの危機を描きます。
(イラスト:おかざきおか 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/321803001467/
http://www.fujimishobo.co.jp/sp/201607veranda/


ベランダに一切の私物を置くべからず、ということで“北斗”の母“瑠璃子”の家の庭を
借りる“葉二”と“まもり”。その縁で“北斗”の複雑な家族事情を垣間見ることになる
“まもり”が反省できるあの姿勢は見習いたい。にしても「葉二さん」呼びが微笑ましい。

修繕工事の騒音を煩わしく感じる日が続く中、今度は“まもり”の従姉妹“涼子”が夢を
追い海外赴任した先から帰ってきます。借主が突然の帰国、となると“まもり”は実家に
戻ることになるため“葉二”と築いてきた距離感もあって戸惑いが隠せないのは胸中複雑。

“葉二”が苦手とする“涼子”にも深い事情があって、これまた世知辛さを滲ませます。
お隣さんとしての関係が終わりを告げる、その先に“まもり”たちがどう心を決めるか。
二十歳を迎え、大学生活の終わりまでに彼女が手に入れる場所とは何か、気になります。

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2018年08月08日

『おっさん、不労所得で帝国を導く』

藍藤唯 先生が贈る新作は、政争に敗れて小麦農園に左遷された若手魔導士が悠々自適な
生活を送っているはずなのに、政治を裏から操っているなどと噂される顛末を描きます。
(イラスト:タジマ粒子 先生)

http://novel-zero.com/issued/2018/07/01.html


「お前には今が見えていない」そう言い放つ“クルーエル”からの通達を素直に受け取り
新天地で小麦を買い付け出店を営む“リュウ”。彼の弟子で宮廷魔導士“イルミーナ”、
空戦准将“ラピス”、騎士団長“パテル”が気を揉む中、国を揺るがす事態が起こる──。

出世した弟子たちの将来を見守る・・・だけでは安心できない“クルーエル”の施策に対し
直接的に手は出せなくなったけど、間接的に口を出して何とかしていく“リュウ”の知見。
次々に施策を覆される“クルーエル”の言動と対称的で、各章の顛末が見ていて楽しい。

情報屋“ベルリ”や商会若頭“アリコ”たちとの騒がしくも楽しい日々を送る“リュウ”。
彼を左遷させた“クルーエル”の思いにも一理あって、どちらが正しいかは歴史しか証明
できない話なのですが“リュウ”の帝国指導がどこまで通用するか見届けてみたい所です。

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2018年08月07日

『女神の勇者を倒すゲスな方法5 「そして日常へ……」』

笹木さくま 先生が贈る異世界勇者攻略譚。第5巻は女神“エレゾニア”の襲撃から逃れた
“真一”たちが彼女の秘密を探るべく、“アリアン”の父である赤き竜に助力を乞います。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047352056/


“希美”を物のように扱われた“真一”の“エレゾニア”に対する怒りが深く伝わります。
そのことがこの世界における勇者の謎が女神が女神たる所以に辿り着く契機にもなるのは
皮肉なもので。赤き竜から情報を聞き出す際の、彼の弄り具合がまた容赦なくて好きです。

恋する乙女ぶりを発揮する“アリアン”に負けじと“リノ”や“セレス”も“真一”への
アピールがレベルアップしていて、これまた見ていて楽しい。明け透けな“レギーナ”に
言い争いで負ける“セレス”の様子とか新鮮で、遠坂 先生の絵と共にぜひ見てほしい一面。

何物にも、何者にも容赦の無い“エレゾニア”の強さを前に“アリアン”らが何を思うか。
受けた怒りを過去最大規模のゲスな作戦で女神に返していく“真一”の対応とともにぜひ
見届けていただきたい結末です・・・と思ったらもう1冊出るのですね。楽しみに待ちます。

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2018年08月06日

『ラストラウンド・アーサーズ クズアーサーと外道マーリン』

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』の 羊太郎 先生が贈る新シリーズはアーサー王伝説を
もとにした世界の危機を救う次代の王を決めるための継承戦に挑む人々の戦いを描きます。
(イラスト:はいむらきよたか 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321803001779


アーサー王の血を引く11人の継承者候補《王》の一人である“瑠奈”はエクスカリバーを
売り、仕える《騎士》“ケイ”にいかがわしい仕事で金稼ぎをさせるロクでなし女子高生。
最弱候補の彼女らが継承戦脱落の危機を迎える瞬間、とんでもない男が割り込んで──。

何やらいわくつきの“凜太朗”が見せる様々な強さに圧倒されたと思えば、それを超える
“瑠奈”の傲岸不遜ぶりに思わず唖然とする導入部。巻き込まれる“ケイ”も可哀想、と
思っていると彼女がロクでなしな理由にもちゃんと意味があると分かって好感が持てます。

バトルはパワーインフレの応酬が見ていて楽しい流れで「あの強い“凜太朗”がまさか!」
みたいな敵の出し方、能力の設定など見どころ満載です。“瑠奈”と“凜太朗”、意外に
良さげな相性を醸し出す2人が継承戦をどう立ち回るのか注目していきたいシリーズです。

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