2018年01月31日

『宝石吐きのおんなのこ7 〜追憶に沈む学び舎〜』

なみあと 先生が贈るファンタジーノベル。第7巻は“スプートニク”の元を離れ体験学校
に参加する“クリュー”の悩ましくも楽しい生活を描きつつ、彼女の謎の一つに迫ります。
(イラスト:景 先生)

https://www.amazon.co.jp/dp/4865292810/
http://ncode.syosetu.com/n4843br/


少しでも早く大人になりたい。あの人の傍に並びたい。ぼやぼやする中にも焦りの窺える
“クリュー”を何だかんだと気に掛ける“リーエ”の存在に、読み手としても救われます。
「手すり」の件は結果が絶対そこへ繋がると分かるだけに思わずニヨニヨしてしまいます。

そんな唯一の店員が抱える悩みを掴みきれない“スプートニク”の、焦りにも似た感情を
吹き飛ばすかのような“セシル”と“ユキ”の衝突から始まる挿話。コミカルな滑り出し
とは打って変わって、“セシル”から語られる“フランソワズ”の話が緊迫感を呼びます。

冒頭で“ソアラン”の身に降りかかる不祥事。そして思わぬ通告に為す術もない彼の姿が
痛々しい。更に一番印象に残った場面、“スプートニク”が聞かされた「彼女」の名が
意味する所は物語の中でも大きく、次巻で話をどう揺さぶってくるのか目が離せません。

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2018年01月30日

『ストライク・ザ・ブラッド APPEND1 人形師の遺産』

三雲岳斗 先生が贈る大人気学園アクションファンタジー。DVD・BD購入特典に収録の短編
4編を加筆修正して「聖者の右腕」事件のその後に起こる殺人人形の話に触れていきます。
(イラスト/マニャ子 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893578-4/


あとがきにもある通り、本編1巻から2巻に挟まれる挿話ということで“雪菜”の言動等
何とも初々しい場面が散見されます。マニャ子 先生のイラストはだいぶ進化しましたが。
ということで人形師“アンドレイド”の自信作“スワニルダ”の悲しい生き様が話の主軸。

前半は吸血鬼風邪をひく“古城”の情緒不安定ぶりと彼の言動に振り回される“雪菜”の
表情にまずニヨニヨ。続いて“アンドレイド”を追う“那月”と“紗矢華”が無駄に熱い
バトルを繰り広げてしまう展開が面白い。“アスタルテ”出番はやや少なめですけれども。

後半は目的のために手段を選ばなくなった“スワニルダ”と“古城”らの本格的な対決が
見所。ショッピングモールのヒーローショーを伏線として、さらに挿絵で回収してくれて
ありがとうございます。おまけ超短編も一つ一つキャラの色が出ていて堪能した次第です。

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2018年01月29日

『りゅうおうのおしごと!7』

TVアニメが満を持して放映開始となった 白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。第7巻は
若き人材の台頭、新しい時代の流れを前に苦悩する先達たちが、その底力を見せつけます。
(イラスト:しらび 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797395501.html


将棋ソフトも駆使してのし上がる“八一”に対し、彼の師匠“清滝”九段の落ち目は隠せず。
“鏡洲”からの示唆で自身を老害かと悩む師匠が、ある気づきから将棋人生を歩む者として
矜持を取り戻し、泥臭い将棋で“歩夢”との順位戦に臨む姿は読み手の胸を熱くさせます。

引退を決めた“蔵王”九段の最終戦に相対する“八一”もまた、先達からの詰将棋にその
生き様を問われます。将棋ソフトの導入により戦法も大きく変わっていく過渡期の中でも
将棋を指すのは人と人であることは変わらない。その言葉の重みは深く、そして苦い物に。

あとがきに代えて 白鳥 先生が伝えようとしたこと。先達たちや“桂香”らが見せる言動の
端々に感じられるような気がして、読み返したときにまた違った想いを感じたところです。
それにしても“銀子”にあの衣装を着せるとはイイ仕事してます。次巻も目が離せません。

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2018年01月26日

『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました5』

森田季節 先生が贈る異世界アットホームコメディ。ドラマCD付き限定特装版、コミックス
第1巻も同時刊行となる第5巻は“ベルゼブブ”のスピンオフ小説も収録した一冊です。
(イラスト:紅緒 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797392975.html
http://www.ganganonline.com/contents/slime/
https://ncode.syosetu.com/n4483dj/


“ファルファ”と“シャルシャ”が迷子になった“ベルゼブブ”の家の庭で“サンドラ”を
確保した“アズサ”。新たな家族を迎えて学校への体験入学、「魔女の家」第二弾の開催で
気難しい“サンドラ”がほだされていく所にも“アズサ”の人たらしぶりが発揮されてます。

“ベルゼブブ”の家周辺をも舞台とした今巻。彼女の家ががあんな状態だった大元の訳が
巻末の「ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました」で垣間見えます。
“アズサ”と似たような境遇にあった彼女が意外に良い上司ぶりを見せており好感触です。

シバユウスケ 先生のコミックスも拝読しまして、これがまた実に可愛くてキャッチーで。
“ライカ”の弟子入りする様子とか、説得されちゃう“シャルシャ”とかたまりませんね。
“ベルゼブブ”の抱き枕が販売されるまで、と言わず行ける所まで行ってほしいものです。

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2018年01月25日

『やがて恋するヴィヴィ・レイン 5』

犬村小六 先生が贈る、恋と会戦の物語。第5巻は“ファニア”を介し、世界を巻き込んだ
“ルカ”と“ジェミニ”の対決の行方、“アステル”のリミットが訪れる瞬間に触れます。
(イラスト:岩崎美奈子 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517163


下からの革命で共和国内を纏める“ルカ”。上からの革命で帝国内を固める“ジェミニ”。
彼らの三角関係に巻き込まれた世界がその真意も知らず戦争の緊張下に晒される悲劇的で、
喜劇的で。外から見守るしかない“ファニア”のもどかしさがひしひしと伝わってきます。

“カミーユ”からの進言を受け止め返答した“ルカ”の覚悟が何ともバカ正直で真っ直ぐで。
あの場面は強く印象に残ります。そして“アステル”の手の甲に示された数字の意味を直接
聞いた彼が打ち明けた本音がまた切なくて。どれだけ報われないのかと思わずにいられない。

「楽園(ヴァルハラ)で会おう」そう誓った“ルカ”たちは“ジェミニ”が用意する秘策を
打ち破ることが出来るのか。“ファニア”の手の甲にある数字がゼロとなったとき判明する
真実は物語をどう動かすか。地上を超えて世界を揺るがす彼の願い、その行く末に注目です。

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2018年01月24日

『はたらく魔王さま!18』

和ヶ原聡司 先生が贈る魔王と勇者の庶民派ファンタジー。第18巻はバイト先に新店長赴任
という時期に自分の将来を見据えた決断を下した“千穂”を見て“真奥”も動き始めます。
(イラスト/029 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893572-2/


高校三年生、という大事な時期を迎えて将来と“真奥”への想いで動揺が隠せない“千穂”。
アルバイトを始めた頃のエピソードがここで効いてくるのは初心に帰る意味でも重要でした。
とは言え、幡ヶ谷駅前店が直面する危機に新店長“岩城”が不安になるのも無理はない話で。

見えてきた敵と突きつけられた現実に打ちひしがれる“真奥”も含め、しっかり前を向いて
行動できている点に勇気づけられます。そんな中で判明する「予想外の敵」の可能性に彼ら
一斉に浮足立つのが印象深い。“志波”からの回答があっさりすぎたので余計に際立ちます。

幡ヶ谷駅前店の危機を救う“真奥”の助け船が、“千穂”の気概を示す場面に繋がっていく
話運びが今巻では一番良かった。やはり彼女が物語の鍵を握ってきます。今後に期待大です。
エンテ・イスラでの“芦屋”や“鈴乃”の影ながらの努力が実ることを合わせて願いつつ。

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2018年01月23日

『異世界テニス無双 テニスプレイヤーとかいう謎の男がちょっと強すぎなんですけど!』

『異能バトルは日常系のなかで』の完結と共に 望公太 先生が贈る新作は、強くなりすぎた
テニス選手が召喚された世界でテニス技術を武器に戦うスーパー・テニスファンタジーです。
(イラスト:夕薙 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797393897.html


全日本高校生テニス大会団体戦で全国制覇を成し遂げた陽帝学園高校硬式テニス部。その
エース“王助”は悲願達成に甘んじることなく世界を目指す・・・はずが、若き天才魔術師
“エリーシャ”に、英雄の名にふさわしい者として異世界に召喚されてしまう破目に──。

異世界にテニスプレイヤーが召喚されて何ができる? という疑問をことごとく払拭する
彼の技術力には笑いを通り越して圧倒されるばかり。まるで異能のような技の数々が熱い。
夕薙 先生の挿絵がその雰囲気をしっかり捉えていて、演出面でも文句なしの出来栄えで。

“王助”の前ではただお荷物に成り下がる“エリーシャ”が抱える背景もしっかり物語に
食い込んできますし、何よりも彼が異世界でテニスをすること自体にも必要で十分な条件
が込められていて続きが気になる要素がてんこ盛り。出オチ作品と侮ることなかれ、です。

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2018年01月22日

『ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット2』

渡瀬草一郎 先生が贈る、和風VRMMOを舞台とした「SAO」スピンオフ作品。第2巻は様々な
クエストと依頼をこなしていく“ナユタ”たちの活躍を4つの短編を通じて描いていきます。
(イラスト/ぎん太 先生 原案・監修/川原礫 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893594-4/


羞恥心の欠如とは違う、無関心の極みとも取れる“ナユタ”の“クレーヴェル”に対する
言動が“コヨミ”の妬みを誘う場面が散見されるあたりが凄く好き。度重なる彼の強運、
というかラッキースケベなシーンの数々と、それに対する大人な対応もニヨニヨします。

仮想空間での温泉旅行、テストプレイと続き、運営側も想定外のアイテム機動傀儡を入手
してから“マヒロ”の父親捜しへと小編が流れるように繋がっていく展開の絶妙さもまた
今巻の素晴らしいところで。“クレーヴェル”の幸運と“コヨミ”の洞察力が光ります。

“マヒロ”の父が置かれた状況からこの業界の闇を垣間見つつ、彼女の性格が父親譲りと
分かる描写をそっと挿入するなど演出面でも目を見張る点が多々ありました。“ナユタ”
の機微は今後変化するのか否か。“クレーヴェル”の気苦労と共に見守りたいものです。

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2018年01月19日

『もしも百合星人が地球でもっとも尊い百合を見せろと言ってきたら』

鰤/牙 さんがコミックマーケット93にて頒布した同人誌。異星人からの突然の宣告に対し
運命を託された2人の少女と、託す側の事情と思惑を織り交ぜて描いていく百合小説です。
(イラスト:さちはら さん)

https://twitter.com/kiva_blitz/status/939046112924647424


冒頭で各国首脳陣が真剣に「百合」について舌戦する場面にまず圧倒されつつ、片田舎で
くすぶる“友梨佳”が幼い頃に出会った“リリー”に憧れ、運命的に再開する・・・と思えば
その裏に仕組まれた“光琉”のシナリオがある。仕組まれた百合は尊いのかが問われます。

“友梨佳”と“リリー”が抱く心情の差異も整わぬ中、“リリー”の元彼女が揺さぶって
きたり、百合過激派の“ユリスキー”事務次官が介入したりと軌道修正不可なシナリオが
どんな結末を迎えるのか。百合星人は何を尊いと判断するのか。最後まで目が離せません。

付属のペーパーにある「よもやま話」を読了後に読むと、得心のいく点が出てきて面白い。
折本の「杜若あいり、インスタグラムにハマる」も拝読しまして久々に「カネの力」分を
摂取できたのも嬉しい。トレンドを織り込みつつ“あいり”らしさが窺える話に満足です。

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2018年01月18日

『JKハルは異世界で娼婦になった』

平鳥コウ 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。男尊女卑の異世界に転移した普通の
女子高生が特筆する能力もなく生きるために娼婦となる道を選んだその後の日々を描きます。
(イラスト:shimano 先生)

http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013744/
https://ncode.syosetu.com/n5954el/


女子高生“小山ハル”としての人生は、交通事故に遭い、異世界に転移することでリセット。
とある事情で援助交際をしていた経験もあり、娼婦“ハル”として生きる道を楽観的に決意。
春を売る中で様々な出会い、変わりゆく日常、楽しいこと、理不尽なことを感じながら──。

“ハル”とは違いチート能力を得た元同級生“千葉”のしつこい絡みに同情の念を抱きつつ、
彼に頼らざるを得ない“キヨリ”の言動など、男尊女卑を印象づける描写が都度差し込まれ
更なる念が積もります。それでも娼婦として成功すべく頑張る“ハル”の努力がいじらしい。

そんな異世界で過ごす日常がある事件を境に一転し、“ハル”が異世界で娼婦になった真の
理由が明らかとなったときの「なるほど」感がすごい。“キヨリ”が良い意味でも悪い意味
でも彼女の影響を受けていることが垣間見える後日譚も良かった。実に楽しく拝読しました。

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2018年01月17日

『レイズ・オン・ファンタジー ギャンブラーは異世界を謳歌する』

実写ドラマ化を果たした『賭ケグルイ』の漫画原作者 河本ほむら 先生のラノベデビュー作。
賭け事に命を懸ける少年が賭け事によって全てが決まる異世界で真剣勝負の連戦に挑みます。
(イラスト:マニャ子 先生 協力:武野光 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321708000282


ヤクザの代打ちで命を落とした少年“鵜印”は更生の女神にも見放されるほどの賭け狂い。
異世界でも賭けに勝ち続ける彼に目をつけた“リリーナ”は王位継承戦というギャンブルの
代打ちを依頼する。渋々受けた彼の、第二のギャンブル人生が思わぬ形で幕を開ける──。

志は立派な“リリーナ”の腹立たしいほどのポンコツぶりによく付き合えるな、と思って
しまう“鵜印”が僅かな手がかりを活かして魔法込み、イカサマ上等なギャンブルの数々で
ピンチをチャンスに変えていく場面が熱い。彼女の破廉恥行為が中々に突然で焦りましたが。

“鵜印”に掛けられた呪いを解く鍵を握るかも知れない“ハナコ”の存在も今後の話を左右
する感じで気になります。魔法が使えない、なんて意味深長すぎますから。意外にバランス
が取れている感じの3人が今後どんな賭け事に臨み、高みを目指すのか楽しみな物語です。

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2018年01月16日

『ロード・オブ・リライト ‐最強スキル《魔眼》で始める反英雄譚‐』

『金色の文字使い』の 十本スイ 先生が贈る新作は、異世界転生ファンタジーにして反逆の
英雄譚。選民思想を持つ帝国に虐げられる人々を守るため立ち上がる少年の成長を描きます。
(イラスト:柴乃櫂人 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321709000012
http://ncode.syosetu.com/n6663eg/


世界の中心にそびえる巨大な神樹の力に支えられる世界「ロゴス」。その片隅にある村に
拾われた“アクス”は村人たちに育てられすくすくと成長していく。そんな平穏な日々を
ある日、帝国軍に蹂躙された時、彼は初めて村の秘密を、世界の不条理を知ることに──。

死が溢れる非日常を目の当たりにして“アクス”の協力な潜在能力が覚醒したり、その力を
持て余して暴走させたりと熱い展開で中盤まで魅せてくれます。暗くなりがちなテーマの中、
彼の育ての親を務める“アルティア”の性格が明るいところに都度救われる思いがしました。

革命軍のアジトに拠点を移してからは、村人たちの遺志を継ぐため修行に励む“アクス”。
そのリーダーである“チェリツ”に認めてもらうため挑む冒険でその成果が問われていく
後半の流れも面白い。“セイガ”との因縁も気になりますし今後に期待が持てる作品です。

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2018年01月15日

『あまのじゃくな氷室さん 好感度100%から始める毒舌女子の落としかた』

広ノ祥人 先生の「第13回MF文庫Jライトノベル新人賞・審査員特別賞」受賞作。想い人の
心の声が聞こえるようになった少年が、裏腹な彼女へのアプローチに挑む顛末を描きます。
(イラスト:うなさか 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1613


「大好きな田島君に、素直な気持ちを届けられるようになりますように」──“氷室”の
願いを聞き入れた恋愛成就の神社におわす神“ナンナ”は彼女の本音を彼が聞けるように
するという暴挙に。当の本人は困惑するものの、想い人へ告白するチャンスなワケで──。

とは言うものの“氷室”がものすごく面倒くさい性格で、“田島”が告白しようものなら
あっさり断られるし。でも心の声は好き好きオーラ全開で。攻めあぐねる彼に思わず同情
せざるを得ない展開を見せます。“ナンナ”も適当というか投げっぱなしなのが追い打ち。

“田島”を「オタ島」と言いながら勉強に付き合わせるギャル“砂城”が、少しずつ彼の
悩みを受け止め、理解者となり、やがて・・・という中で、彼は“氷室”と恋仲になるのが
正しいのかを問われる、その拗れた行く末を見届けてみて下さい。お薦めのラブコメです。

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2018年01月12日

『飼い猫になって百合カップルのイチャラブ生活を見守るお話』

みかみてれん さんがコミックマーケット93にて頒布した同人誌。百合もの大好き社畜OLが
仔猫となって飼い主の少女が大人になるまで見守り続ける甘くほろ苦い百合ラブ小説です。
(イラスト:ゆぞうに さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


“たま子”から“タマ”になり、近くに越してきた“深優”の飼い猫となる所から物語は
始まります。前作『観葉植物〜』とは異なり、言語での意思疎通ができないもどかしさを
残す状況で繰り広げられる百合展開は、いわゆる尊さを感じさせてくれる良さを魅せます。

小学生編にて、気が強くて活発な“燐火”と、大人しいようでふてぶてしい“ひな乃”と
出会い雑誌の「友ちゅーのススメ」を契機に百合の片鱗に触れる“深優”。中学生編では
同じ部活で様々な人間関係に触れ、それぞれの意外性を垣間見せてこれまた百合百合しい。

高校生編では、各々のやりたいことが見えてきて3人が一緒にいる機会も減っていく中で
胸に抱くドキドキの意味を自問していきます。これがほろ苦い。“深優”の幸せのために
“タマ”に何が出来るか、3人はどんな結末を迎えるか、読んで確かめるに足る作品です。

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2018年01月11日

『ワキヤくんの主役理論 2』

涼暮皐 先生が贈る、主役男と脇役女のおかしな青春勝負。第2巻は“未那”と同居状態と
知ってしまう“叶”の弟“望”との顛末や、“さなか”が抱える複雑な胸の内を描きます。
(イラスト:すし* 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1616
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882526026


主役理論に基づいて駅近くにある屋台にフラッと立ち寄れる“未那”の思考に圧倒される
出だしに加えて、その屋台を営む“此香”の境遇、さらにはあっさりと仲良くなるあたり
驚きの連続です。そして“望”の登場とあの言動ですからすでにお腹いっぱいという所で。

“さなか”と偶然いっしょに居る所を“望”に見られた“未那”が、恋人のように振舞う
イベントなどを経て彼女の涙を目の当たりにして持論を展開する場面が印象深く映ります。
屋台が物語の軸を担う意外な設定もさることながら“叶”との掛け合いが面白いのなんの。

話の結末として反省会的な場を設ける“未那”と“叶”。彼女の指摘が一々的確で、彼の
受け返しが興味深い。結果として彼が気づいた「ある疑問点」について、問いかけられた
“望”のはぐらし方ですとか、接続章で見せた引き具合が続巻への期待を高めてくれます。

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2018年01月10日

『魔術破りのリベンジ・マギア 3.はぐれ陰陽師の越境魔術』

子子子子子子子 先生が贈るハイエンド魔術バトルアクション。第3巻は別の学園にて発生
した殺人事件の真相究明に乗り出す“晴栄”が、因縁の幼なじみと意外な真相に遭遇します。
(イラスト/伊吹のつ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/762.html
http://hobbyjapan.co.jp/comic/series/revenge/


暁星学園の学園長“イェイツ”とその秘書“イズールト”による教育上よろしくない場面
から始まる今回の物語。学園内で唯一陰陽道に精通する人物“露花”が友人を殺害したと
する疑いを“晴栄”が晴らすべく動くのですが、彼女にとっては兄を誅殺した相手な訳で。

いきなり“晴栄”とのバトルを所望する跳ねっ返りぶりが目立つ“露花”ですが、次第に
彼の内心を“ティチュ”や“狐狼丸”を通じて知ることになります。次第に軟化していく
彼女の複雑な心境が描かれていくところにまずご注目。ちゃんと反省できる姿勢が好感触。

では、そもそもの「殺人事件の犯人」は誰か。本作らしいアプローチで迫る展開や戦闘の
描写が熱いです。“ティチュ”らの他に“イェイツ”と“イズールト”のコンビ、そして
“露花”も見せ場があります。宮社惣恭 先生による漫画連載も始まり楽しみが広がります。

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2018年01月09日

『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 4』

手島史詞 先生が贈る、不愛想魔王と箱入りエルフによるラブコメファンタジー。第4巻は
ハイエルフの手がかりを探るため訪れた“ネフィ”の故郷で彼女が幼女になってしまいます。
(イラスト/COMTA 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/761.html


“ネフィ”から提示された突然の休職願い。その目的を看破した“ザガン”の配慮に乗じ
エルフの里へ向かうことになる一同の中で“ゴメリ”がしきりに言及してくる「愛で力」。
身悶えする情景、解説の数々ですが、これが後々にまで尾を引くこととなるとは露知らず。

そんな“ゴメリ”に絡まれたり、そもそも“バルバロス”に引きずられて“ザガン”たちと
同行したり、と流されっぱなしの“ネフテロス”。根が優しい彼女の言動もさることながら
彼女なりの悩みがある点にもご注目。これも話をつなげる要素となるのだから実に興味深い。

“ザガン”をパパと呼ぶ“ネフィ”の様子が何とも可愛らしいこと。“フォル”も同様で。
彼女を幼女の姿に変えた「里に縁ある者」の真意を汲み取った、彼の力強い想いをご覧あれ。
板垣ハコ 先生によるコミカライズ企画も進行中とのことで、ますます注目のシリーズです。

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2018年01月08日

『精霊幻想記 9.月下の勇者』

北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。第9巻は勇者の一人“沙月”との面会に力を尽くして
くれた“リオ”を意識せざるを得ない“美春”が、様々な想いと向き合う様子を描きます。
(イラスト/Riv 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/760.html


“美春”との再会の喜びと召喚時の差異に驚く“沙月”。奴隷商人たちからその身を護り
世話をし続けた“リオ”に俄然興味を示す彼女のはしゃぐ姿と昔話の挿話がどう絡むのか
今後の動向が気になる所。風呂場での“セリア”へ見せた反応は「わかる」感が半端ない。

“沙月”も気に掛ける“亜紀”や“雅人”が再開を望む“貴久”の存在。そこに分かれを
予感させるところもあり、“リオ”と離れたくないと考える“美春”にはまた悩みの種で。
両者の抱える想いを知る唯一の存在、“アイシア”だけが心を配る状況は歯痒くもあって。

それぞれの思惑が交錯する夜会での出会い、特に勇者たちの邂逅が物語を更に広げる契機
となることは言うまでもなく。僻み気味な“弘明”の言動が悪影響を及ぼしそうで要注意。
そしてついに“リオ”が腹をくくった瞬間、“美春”は想いを伝えられるのか、注目です。

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2018年01月07日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2017年下期」エントリー


数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。
 【17下期ラノベ投票/9784048932714】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/180659844.html

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦(3)
 【17下期ラノベ投票/9784040725185】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/182001378.html

ウォーター&ビスケットのテーマ(1)
 【17下期ラノベ投票/9784041060308】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/181034625.html

ワキヤくんの主役理論
 【17下期ラノベ投票/9784040693477】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/181236635.html

絶対彼女作らせるガール!
 【17下期ラノベ投票/9784040695518】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/181810800.html

キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った
 【17下期ラノベ投票/9784047347465】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/181026063.html

貴方がわたしを好きになる自信はありませんが、わたしが貴方を好きになる自信はあります
 【17下期ラノベ投票/9784086312196】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/182028955.html

出会ってひと突きで絶頂除霊!
 【17下期ラノベ投票/9784094516548】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/181387750.html

桜色のレプリカ(2)
 【17下期ラノベ投票/9784798615073】
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蓮見律子の推理交響楽 比翼のバルカローレ
 【17下期ラノベ投票/9784062940832】
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2018年01月05日

『この世界にiをこめて』

『君は月夜に光り輝く』でデビューした 佐野徹夜 先生が贈る新作は、退屈な高校生活を
送る少年と天才小説家の関係から紡がれる、小説を愛する全ての人に向けた感動作です。
(イラスト/loundraw 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-893414-5/


「君は死んだとき、最後に何を思った? 何を感じた? 僕は、それが知りたい」──。
望みは薄いがいつか小説家になりたいと考えていた“染井”。死んだ“吉野”へメールを
送り続ける無気力な彼に返信のメールが送られてくるところからこの物語は動き始めます。

自分の書いた小説で世界を変えたい、その想いを胸に若くして小説家となった“吉野”。
彼女の思い出を振り返りながらメールを通じて小説を書くことの意味を考える“染井”。
書くことでしか世界と交われない虚数軸上に居るような2人の様子に宿業すら感じます。

転校してきた“真白”もまた“吉野”の小説で世界を変えられた人物であり、“染井”に
思いがけない人生の転機をもたらす不器用な存在であるところに年相応の勢いと危うさを
垣間見せてきます。彼女らを通じて変遷する“染井”の繊細な機微をぜひ見届けて下さい。

posted by 秋野ソラ at 00:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル